『名探偵ピカチュウ』を見た正直な感想|リスペクトは感じるけれど……
辛めのレビューです。ご注意ください。
ポケモンガチ勢だった経験もあるので、そこそこ詳しく見れてる筈です。
よかったところ
・舞台となるライムシティの設定。ポケモンが自然と配置され、「共存」している様子が表現されていて良かった。
・CGがすごい。ピカチュウをはじめ、ポケモンたちが生き生きとしていた。
・静止画ではキモく見えたベロリンガやバリヤードなども、動いてる分には違和感がなかった。
・ただしエイパム、お前はだめだ。集団行動の暴走エイパムこわすぎ。
・個人的に好きなシーン
1.バリヤードのパントマイム
2.コイキングがギャラドスに進化
3.巨大ドダイトス
・巨大ドダイトスやメタモン、真犯人など、意外性を持たせていたのは評価できる。
・戦闘シーンも迫力があった。リザードンやミュウツー、コダックにピカチュウなど。くどくないのも良い。
・なにより、原作リスペクトがたくさんあって良かった。
・電光石火やエレキボール、10万ボルトがピカチュウの技としてあがる中、ボルテッカーが最強技として設定されていた。
・ピカチュウが大谷育江ボイスになったり、林原めぐみや山寺宏一が出ていたのもよかった。
・プリン、コダック、リザードンなど、アニメ版でレギュラーだったポケモンが数多く出演していた。その一方で、初代だけでなく、ドゴーム、ゴルーグ、キュワワーなど、幅広い世代からも出演していた。
・ドン引きしているタブンネがかわいかった。腹パンしたい。
・エンディングのゲーム画面再現も良かった。
ダメなところ
・主人公に魅力がない。ポケモンを持たなかった理由が弱い。しかも、あっさり克服する。ピカチュウを助けるなど、サトシと同じことをしているのに、この差はなんだろう。叫びが足りないのか。もっと体を張ればよかったのか。
・ピカチュウにも、あんまり魅力がない。もっとゲスイことを言えば、かわいい外見とのギャップが生まれるだろうに、むしろただの良いやつだった。セリフも別にうまくない。あと、探偵要素が皆無。主人公の方が探偵していたぐらいだ。
・主人公たちが自力で見つけて来るよりも、多くの情報が他のキャラクターから得られていて、頑張って真相にたどり着いた感がまるでない。探偵要素はどこへ行ったのか。
・とにかく序盤が退屈である。父親を捜す動機が弱い。主人公たちの魅力がなさ過ぎて、感情移入が難しい。
・設定がところどころ甘い。ラスボスはなぜ弱点である本体を放っておいたのか。これをちょっと難しいところにおいておけば盛り上がったのでは? 精神をポケモンに突っ込むというミュウツーの謎能力はいいとしても、なぜ人間の体の方まで消えたのか? 父親の方は肉体残ってたのに。細かいところだけれどモヤモヤする。
・人型メタモンの目がキモい。
以上のように、いいところはたくさんあるのだけれど、主に主人公の魅力不足のせいで台無しになっていたように思う。21歳って設定に無理があったのではないか。カラカラのくだりを見た後、保険会社勤務って聞いたときに、もうちょっとキツイって思いました。
主人公もその友人もインド系に見えるので、そのままポルカ・オドルカでも踊ってくれた方が面白かったまである。
なんというか、惜しいなあ、と。物語としては、面白くはなかったです。