創作のための映画と読書まとめ

当ブログは「良き創作は良き鑑賞から」をモットーに、鑑賞した映画と本についてまとめておく目的で設立されました。同志よ集え!

実写&劇場版「映像研には手を出すな!」を見た感想|アニメ派の人もけっこう楽しめました。

結論からいうと、日本の実写版としてはクオリティーが高く、面白いと思いました。 良かった点を3つ、悪かった点を1つあげたいと思います。 良かったところ 1 主人公陣3名の演技力。 2 オリジナルのギャグパート 3 VFXを駆使した浅草ワールドの表現 逆…

『ワイルドサイドほっつき歩け  ハマータウンのおっさんたち』の感想と考察|政治と生活と海外を混ぜたエッセイって面白いんだなあ

章題の通り。EU離脱など、いろいろな社会的問題を抱えた英国における、労働者階級の人々の生活を、筆者独自の目線から語ったもの。 お国は違えども、隠れた階級社会であることや、世代間の争いがあることなどは、日本に似ている。ただし、日本と違って、政治…

凪良ゆう『流浪の月』の感想と考察|これが読まれる今、長谷川博一『殺人者はいかに誕生したか』も読まれるべきだ

ネタバレ含みます。 この本、感想を言いたくなりますよね。 さすが本屋大賞。 流浪の月 posted with ヨメレバ 凪良 ゆう 東京創元社 2019年08月29日 楽天ブックス Amazon Kindle さて、感想と考察に移ります。 ざっくりとしたあらまし 『流浪の月』は、ロリ…

『移動都市/モータル・エンジン』の感想と考察|美麗CGで送る王道スチームパンク

アマゾンのレビューがひどいことになっていたので見ました。 結論から言うと、そんなに悪くないです。映像が壮大なので、映画館映えしそうです。 ざっくりとしたあらすじ 舞台は、科学文明が量子爆弾によって滅びたあとの世界。人々は移動都市という、でかい…

【文房具】PILOTのボールペン(ニードルチップ)を愛してやまない。【雑記】

社会人になると、シャープペンシルより、ボールペンの方が、使用の機会が増える。 勉強するにしても、ペン先が滑るボールペンの方がはかどる(気がする)。 そんなわけで、この一年くらいボールペンをいろいろ買ってきた。 結論から言うと、ニードルチップの…

一年の計は元旦にありといいますが

今週のお題「2020年の抱負」 元旦過ぎて、はや三日。 この調子で、2020年もガンガン消費されていくのだろう。 いまも、ビリーアイリッシュのインタヴュー動画見てる。 とってもキュート。たまらんですな。この人があのグロ映画『ブライトバーン』のエンディ…

『ブライトバーン 恐怖の拡散者』の感想|これ以上世界について考えるのが嫌になる、そんな映画。

YouTubeを見ていると、いやというほど見せられた本作の広告。 目に刺さったガラスの破片、高速移動で襲ってくる少年、泣き叫ぶ母親。これは是非見なければ、と思った。 ポケモンの発売と本作の上映とを楽しみにして、この一週間頑張った。 まさか、こんなに…

『名探偵ピカチュウ』を見た正直な感想|リスペクトは感じるけれど……

辛めのレビューです。ご注意ください。 ポケモンガチ勢だった経験もあるので、そこそこ詳しく見れてる筈です。 よかったところ ・舞台となるライムシティの設定。ポケモンが自然と配置され、「共存」している様子が表現されていて良かった。 ・CGがすごい。…

『スパイダーマン: スパイダーバース』の感想と考察|なぜ息をつく暇もないほど面白いのか?

【注意!】本記事は、『スパイダーマン: スパイダーバース』を絶賛するものであり、一切のdisを含みません。それでもかまわん、という方のみご覧ください。 ◎ この映画についての前情報は、「ペニー・パーカーちゃんかわいい」くらいしか聞かなかった。あと…

【積読紹介】今日も本を積んだ。『神話学入門』『天災と日本人』『文藝別冊 手塚治虫』

今日はお目当ての本がありまして、本屋に行きました。地方在住なので、発売予定日から少しずらして行かないと、置いていません。もし置いてなければ、何度も足を運ぶ羽目になり、そのたびに目についた本を買ってしまう危険もあります。が、今日は置いてあり…

橋本陽介『使える!「国語」の考え方』を読んだ感想

ちくま新書で、『国語教育の危機』に引き続き面白そうな国語についての本が出ていたので読んでみた。 使える!「国語」の考え方 posted with ヨメレバ 橋本 陽介 筑摩書房 2019年01月07日 楽天ブックス Amazon Kindle 国語教育における「小説の授業がなぜつ…

読書の実況中継② 名倉編『異セカイ系』

↑前回 さて、読み終わった感想をば、致します。 後半戦も、メタ的技巧が山盛りで、お腹一杯を通り過ぎてアレでした。 というのも、クライマックスの解決篇で、もはや論理学、みたいな説明があったからです。 世界Aとかなんとか。確率がどうこうとか。 まあ、…

平成最後のブックの日にブックオフで爆買いした

普段は文庫しか買わないのですが、ハードカバーも買いました。爆買いのコツは、値段を見ないこと。 カゴがちょっとしたダンベルぐらいの重さになって会計をしたら、8000円ちょいでした。ブックオフでこの値段出したのは初めてでした。 1 荒木飛呂彦『荒木飛…

読書の実況中継① 名倉編『異セカイ系』

名前だけ見て気になったけど買わなかった本を、思いきって買いました。途中まで読んだ感想をつらつら書きます。 異セカイ系 (講談社タイガ) posted with ヨメレバ 名倉 編 講談社 2018-08-22 Amazon Kindle 楽天ブックス 結論は↓ 結局何が言いたいかと言うと…

最近買った本の紹介と記録その2|『一日一文 英知のことば』『日本の同時代小説』『夏への扉』

前回紹介した分、まだ読み切っておりません。 例の如く浮気して、鶴見俊輔『文章心得帖』を読み返していました。教え自体はシンプルですが奥深く、為になるものだと思いますので、また紹介したいです。 文章心得帖 (ちくま学芸文庫) posted with ヨメレバ 鶴…

【新書】貴志祐介『エンタテインメントの作り方』の感想|売れっ子作家による、作家になるための実戦的なアドバイス集

貴志祐介といえば、エンタテイメント小説を連続でヒットさせ続けている、超売れっ子作家である。 ヒット作は数知れず、いちいち上げるとキリがない。私が初めて読んだのは『クリムゾンの迷宮』。ゲーム的な設定は、漫画の方が多くて、小説だとライトノベルぐ…

最近買った本の紹介と記録|『revisions 時間SFアンソロジー』『NOVA 2019年春号』『最高の雑談術』

目次 前置き:積読対策にメモをとるぞ、という話 『revisions 時間SFアンソロジー』大森望・編 ハヤカワ文庫 『NOVA 2019年春号』大森望 責任編集 河出文庫 外山滋比古『最高の雑談術』扶桑社文庫 前置き:積読対策にメモをとるぞ、という話 積読という言葉…

『ボヘミアン・ラプソディ』の感想と考察|「孤独」と戦った男に熱狂し、共感する

話題の映画を観てきました。 Queenの曲自体は(ジョジョ経由で)知っていましたし、好んで聴いてました。 ただし、歌詞の意味はよく知らず、ただメロディやリズム、フレディの透き通った声が好きだっただけです。深いところまでは知らなかった。 しかし、『…

『トップガン』の感想と考察|「挫折からの再出発」という王道と、ただカッコいいトム・クルーズ

トップガン(TOP GUN)は、1986年に放映された、トニー・スコット監督によるアクション映画である。 最近では、自衛隊初の女性パイロットが「あこがれ」として挙げたり、続編の制作が決定したことで話題になった。 「ハリウッドスター」トム・クルーズの出世…

ミキータ・ブロットマン『刑務所の読書クラブ 教授が囚人たちと10の古典文学を読んだら』を読んだ感想

本書は、「オックスフォード大学卒の文学研究者・ミキータ教授が、刑務所で囚人たちと、古典作品を読む」という活動の記録で、ジャンルは当然、ノンフィクションです。 わたしは、タイトルが気になって、購入しました。「読書」と「囚人」という組み合わせが…

【創作】物語るためのアイデア出しの方法を紹介する本の紹介

「物語る」=「創作する」という意味で使っています。小説に限らず、漫画でも、脚本でも、自分の考えた物語を形にすることです。 なぜ人は物語りたくなるのか? それは、自身が物語に魅入られたからに違いありません。 野球少年がプロ野球選手にあこがれるよ…

【感想】岸本葉子『エッセイの書き方 読んでもらえる文章のコツ』 懇切丁寧、しかも分かりやすい入門書

スマホ時代、誰もが気軽に言葉を発信できるようになりました。しかし、ただ言いたいことを言っているだけでは、その他大勢の言葉に埋もれてしまい、誰の耳にも届きません。 ですから、自分の言いたいこと、書きたいことを、相手を読みたくなるようにする工夫…

すっぱいブドウの処世術 ~なぜ言い訳をしたらダメなのか~

「すっぱいブドウ」というイソップの寓話があります。キツネが手に入れられなかったブドウについて、「どうせあのブドウはすっぱいだろう」と、負け惜しみを言って終わるお話です。 フロイトの心理学的には防衛機制、合理化の例として挙げられています。どう…

日本の店員はもっと接客で手を抜いても良いのではないか、ということについて。

日本の店員は愛想が良すぎる、という言説を目にすることがある。 海外に行けば、店員はもっと無愛想で、ドライなのだという。 もちろん、日本はこうで海外はこうだ、という大雑把なカテゴライズはナンセンスである。 だが実際、日本で住んでいると、接客され…

筒井康隆『読書の極意と掟』の感想|筒井康隆の作り方とでも言うべき一冊

筒井康隆という偉大な作家が、どのような読書をして、そこから何を得てきたのかということが、自身の言葉で書かれているのが本書である。 それぞれの本に、エピソードがあり、思い出があり、教訓がある。それを、これだけたくさん語れるということに感心させ…

『プラトーン』の感想と考察|リアルすぎる戦争!戦場という地獄で、人は人でいられない

「ベトナム戦争が舞台だから、ゲリラの竹槍とか落とし穴で翻弄されるんだろうな」 というような、のんきな考えで見たことを後悔させられる、リアルな戦争を描き切った作品でした。 もちろん、私自身は、本物の戦争を見たことも経験したこともない。 ただ、こ…

『カメラを止めるな!』の魅力|たった1つのアイデアと2つの面白さ【感想と考察】

本作は、一切の前情報なしで見なければ、一気につまらなくなるでしょう。 だから、未視聴の方は、今すぐ本記事を見るのをやめましょう。 視聴済みの方は下へスクロールしてください。 (ネタバレ防止のための空白) 『カメラを止めるな!』において、たった…

【短編小説】ふくしゅうのおにごっこ

【お題:鬼ごっこ】 むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんと暮らす青年がいました。 青年の母は、病床に伏せていて、高価な薬が必要でした。 青年の父は、少しでも金払いの良い仕事のために、出稼ぎに出ていました。 青年も、同じように働きに…

『キング・オブ・コメディ』の感想と考察|コメディの名を冠するホラー映画! 「社会のはみ出し者」だから狂人なのか?

気分が落ち込んだとき。 例えば、頑張って勉強してきた試験がダメだったとき。 傷つけられた自尊心。 今までの苦労が水泡に帰したという喪失感。 これからどうすればいいのか分からなくなる閉塞感。 そんなときは、一度コメディでも見て笑って、気持ちを切り…

『死ぬまでに観たい映画 1001本』を死ぬまでに全部観て、まとめる。

あなたの家にある本の中で、一番重い本は何ですか? うちのはこれです。 死ぬまでに観たい映画1001本 改訂新版 posted with カエレバ スティーヴン・ジェイ シュナイダー ネコ・パブリッシング 2015-01-10 Amazon 楽天市場 Yahooショッピング 重い・でかい・…