創作のための映画と読書まとめ

当ブログは「良き創作は良き鑑賞から」をモットーに、鑑賞した映画と本についてまとめておく目的で設立されました。同志よ集え!

『移動都市/モータル・エンジン』の感想と考察|美麗CGで送る王道スチームパンク

アマゾンのレビューがひどいことになっていたので見ました。

 

結論から言うと、そんなに悪くないです。映像が壮大なので、映画館映えしそうです。

 

ざっくりとしたあらすじ

 

舞台は、科学文明が量子爆弾によって滅びたあとの世界。人々は移動都市という、でかいキャタピラのついた、移動する街に住んでいる。ハウルの動く城の洋バージョンイメージするとよい。少ない物資を取り合うため、大きな街が小さな町を取り込んでいく。

 

そんな大きな街の偉い人が、実は滅んだ文明の破片を集めていて、量子爆弾をつくって世界を支配しようとする。それを阻止する主人公とヒロイン、その他協力者。

 

それが大きな流れで、その間にボーイミーツガールであったり、ヒロインの育て親であるアンドロイドに追いかけられたりする。

 

作品を彩るものたち

スチームパンクの世界観である。その他、ロストテクノロジー、ポスト・アポカリプスが世界を肉付けする。権力闘争、陰謀、というのも要素のひとつだ。

 

序盤の流れは『セブンスタワー』に似ている。序列が決まっていたり、主人公が外の世界を知らなかったり、外の世界に追い出されたり。そうやって閉じた世界から出て、本当の世界を知るというお決まりの流れ。

 

外の世界は、人身売買、人肉、機械の体、空中都市といった、重厚な世界観を感じさせるアイテムが散りばめられている。

 

残念ながら、重厚な世界を感じさせるだけで、そのひとつひとつを掘り下げられてはいない。おそらく、原作の要素を少しずつ入れ込んだのだろう。

 

批判の多くは、「ありきたり」もしくは「掘り下げが不十分」

まあ、的を射た意見だと思います。ただ、それだけでこの映画が面白くないかといえば別。

 

上記のストーリーであったり、詰め込まれた世界観は、そりゃあ、確かに寄せ集めでしょう。ある社会の要人が

破壊兵器作って、それを主人公が阻止する話。ありきたりです。そういうもんだと割り切りましょう。そして、美麗なCGがありますから、映像を楽しみましょう。あと、雰囲気も。

 

掘り下げが足りないというのも確かに。でもね、原作のある映画って、だいたいそうなるから。そんな中では、けっこうテンポよくすすんでいたし、主要メンバーの掘り下げだけはちゃんとしていたと思う。原作では重要キャラっぽいやつが、あんまり出番なかったりすることもあったけれど、そこは想像で補いましょう。

 

まとめ

・いうほどひどくない

・ありきたり→王道、掘り下げ少ない→要素が多い。リフレーミングしよう

・映像キレイ、テンポよし。スチームパンクのカッコいいメカを見たければこれを見よう

・世界観は作りこまれている。しかし、映画では再現しきれていない。想像で補うか、原作読もう。

・創作的に言えば、王道の勉強になる。トップが陰謀働くとか、なまっちょろい男が、悲惨な過去を持つ女を気遣うとか。

 

それなりに楽しめました。